”もう手は震えない”『逆転勝ち』

 
 大阪アジアン映画祭2015、二本目。


 両親を相次いで失い、父の残したビリヤード場を一人で切り盛りする女子高生のレンシャン。父は、かつて弟が試合に負けて作った借金を肩代わりし、今もそれが多額にのぼっていた。押し寄せる借金取り、保護者を求める社会福祉士……。そんな折、行方をくらましていた叔父、借金の当事者である元ビリヤード王者シュアンフォンが見つかるのだが……。


 ビリヤードが題材のスポ根もの!ということでもう一万回も繰り返されてきたような話。亡き父の遺志を継いで売却寸前のビリヤード場を守ろうとする娘。そして、かつてトッププロでありながら、慢心によって敗北し酒に溺れたその叔父が再会し、師と弟子として特訓を重ね勝利をつかもうとする……。
 まあ雑と言えば雑な脚本だが、定型通りで面白い。ビリヤードのルールは単純そのものだが、その中でのショットの強弱や緩急を身体性見せつつ細かく表現し、ちょっとやってみてえな、という魅力を見せる。途中の大会では本物のプロが続々登場。これは台湾のビリヤードファンが見たらたまらんのだろうな。


 「五月天」の「怪獣」が主演……って何のことかわからん。台湾の人気グループとそのリーダーね。しかし、緩んだ顔したら、なんとなくチャウ・シンチーに似てたな……。
 『ポーとミーのチャチャ』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130601/1370092780)の双子ちゃんを演じたヒロインが、今回は一役で登場。まだ女子高生役だけど成長したなあ。なぜかパンツまで見せているが、前作のミー役っぽいちょっと険のあるキャラクター。それは親を失い孤独に生きているゆえなのだが、叔父との再会でまた変わっていく。


 師弟ものでもあり、当然ヒロインは元プロであった怪獣さんに師事し、ビリヤードの腕を磨き勝負事の厳しさを教わっていく。それと共に師である怪獣もまた忘れかけていた熱、ビリヤードに賭けていた思いを呼び覚まされる。弟子は師に、師もまた弟子に教わる関係。


 まあまあ面白かったし、怪獣さんが人気あるせいか満員でしたよ。ただまあ、同じスポ根ならこの後に見た『全力スマッシュ』を推す。

Mayday×五月天  the Best of 1999-2013

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5月天[諾亞方舟] DVD + Live in Live DVD (スチルBOX DVDセット プレオーダー版) ~ 五月天

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