"おまえは狼少女か!"『ファインド・アウト』


 アマンダ・セイフライド主演作。


 仕事を終え、帰宅したジル。だが、試験を控えているはずの妹モリーの姿がない……。すぐに警察に駆け込むジル。彼女には心当たりがあった。一年前、自分を誘拐し、今も見つかっていない犯人……。だが、警察は捜査で何も出なかった事で、彼女を虚言症と睨み、取り合おうとしない。単身、妹を捜すジルだが……。


 誘拐された過去を持つヒロインだが、そのことを信じてもらえずに警察から妄想扱いされ、精神病院にまで放り込まれた過去がある……というのが表向きの状況。さて、裏はあるのかないのか、本当だったのか妄想なのか、そして今回、妹が行方不明になったのは関係あるのか……。一つの状況を、耐えずその両面を意識しながら見ることに。


 アマンダが実にいい感じにギラギラしていて、あのでかい目をかっと見開いて神経質げなキャラクターを演じている。警察がまっっっっっっったく当てにならない状況下で、一人で妹を探すものの、自然とその方法は過激に、手段を選ばなくなっていく。
 証拠をたどって行く先々で聞き込みをするのだが、「妹を探している」という本当のことは絶対言わないのだよね。「祖母が怪しい車を見かけて……」「アルツハイマーの祖父が出かけて行方しれずで……」「この辺りに引っ越したいんだけど……」「ジャスティン・ビーバーに会えるんだけど……」と毎回毎回、息をするように違う嘘をつきまくる! 怪しい! 怪しいよおまえ! やはり虚言癖があるのか?と思わせる飛ばしぶり。


 証拠もないまま孤軍奮闘が続き、誰にも全然信用されない。ただ、警察の証拠がなければ動かない無責任ぶりと、自分たちの先入観だけでしか物事を見ない硬直性への不信感が強烈。一見、主人公を信じない見方にも正当性があるように見えるが、回想で語られる初動捜査とその後の対応が無茶苦茶過ぎるから! ここまでひどいと、いっそのこと警察を成敗するお話にしても良かったんじゃないか。もしくは犯人が刑事とかさ……(違うからね!)。


 全体にミスディレクションのためのミスディレクション、サスペンスのためのサスペンスが目につき、ラストも独創的とは言い難いため に、全体としては物足りない作品でありました。アマンダは出ずっぱりだけど、サービス的なショットはほぼないしな。あのカーテン越しのシャワーシーンは本物であろうか……。
 それよりも、序盤のMMA特訓シーンに萌えたね。こういうところにサラッと出てくるあたり、マジにアメリカじゃあメジャースポーツになってきてるのだな。柔術練習中に下のポジションになるが、上になった男に馴れ馴れしく髪を触られたので切れ、リバーサルしてパウンドを落としまくる! ああ〜、僕もアマンダにマウントを取られたいです!

クロエ [Blu-ray]

クロエ [Blu-ray]