"素手の方が強かった"『ハイランダー 最終戦士』

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 ドニー・マラソンもついにラスト!


 世界各地で戦い続ける不死の一族。憎しみや復讐を呼ぶ一方の日々に飽いたコナー・マクラウドは、聖域と呼ばれる地で密かに眠りについていた。だが、復讐者の魔の手はそこにも迫る……。行方知れずのコナーを探すダンカンにも、敵の魔の手は伸びる。不死者同士の最後の戦いが幕を開けようとしていた……。


 未見だった作品を一挙に消化しようということで始まったこのドニー・マラソンですが、ついに最後の一本となりました。こちらは『ブレイド2』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20120214/1329220169)以前の、ハリウッド初進出作になりますね。


 今回のドニーさんも、もちろんゲスト出演ということで、唯一の中国人の不死者である「ジン・ケー」役。「陳桂」とかそんな感じかな……。かつては皇帝にも仕えた義に篤き男であったが、今や「義がなんだ〜!」とか言ってしまっている人。ここらへん色々と裏設定もありそうですが、作中ではちょいと匂わせられる程度でしたね。
 さて、そんなドニーさん、戦いに飽いた不死者の眠る「聖域」を仲間と共に襲います。バイクから飛び降り、守りについている聖職者相手に、空中二段蹴りからかかと落とし……! って、完全にいつもの技じゃねえかよ! これは『ハイランダー』シリーズだよ! まったくの平常運転で素手で数人を秒殺。ゲスト出演の凄みを見せつけます。


 その後は敵役の一人として、主人公役のエイドリアン・ポールと激突! ここでようやく薙刀を出しました。やっとハイランダーらしくなったな、ほっ……。ここまでのドニーさん以外の殺陣は正直、非常にもっさりとしており、この対決はちょっとミスマッチかと思いきや、エイドリアン・ポールもドニーさんの高速薙刀に対し激しく剣を合わせます! なんだよ、やればできるじゃん……と思いましたが、これは相手の力量をも引き出すドニーさんのテクニックということなのでしょう。さらに平然と薙刀を捨て、


「素手で戦おう」


 やっぱり素手なんだ! 武器持ってるよりこの方が強いんだ! 当然主役としては受けて立つしかないわけで……。


 まあ見せ場はこれぐらいで、後半にも登場シーンがあるものの、二言ぐらいしゃべってから殺されるという役回り。トータル10分ぐらいの出番だったかな……。見せ場は前半に集中しているんで、ドニー・ファンは前半だけ見ておけば充分だと思います。


 テレビシリーズの完結編ということで、映画の旧シリーズにはなかった設定などもちょろちょろ出てきますが、まあ見てればなんとなくですがわかります。と言うか、どっちみち大して生かされてなかったりするので……。
 ひさびさにクリストファー・ランバートも見ましたけど、全体にしょぼいな、と思いながら、やっぱりピンで画面がもつあたり、スターだなと感じましたね。まあそうは言っても、今作ぐらいの彼のポジションを一作目でやってたショーン・コネリーには遠く及びませんがね……。
 対する宿敵役はブルース・ペイン。映画では一作目がクランシー・ブラウン、二作目がマイケル・アイアンサイド、三作目がマリオ・ヴァン・ピープルズですか、みんな好きな悪役俳優ですけど、このブルース・ペインも昔からいかにも「ワルです!」という顔してて大好きなんだよなあ。『パッセンジャー57』や『シュリンジ』、『ダンジョン&ドラゴン』などありますね。


 不死者同士の果てしなき戦いの結末を描くストーリーもまあ嫌いじゃないし、ドニーさんがそこに上乗せされたと思えば、まあまあ楽しめる一本でありました。


 ところで、倒した不死者のパワーを吸収する事でパワーアップするという設定だが、今まで倒した数が主人公が170、ランバートさんが240ぐらいのところ、ブルース・ペインは660人。こりゃ勝ち目ないわ〜、という演出なのだが、ここは敢えてスケール感と勝てない感の強調のために、6600ぐらいにして欲しかったかもなあ、うん。私の戦闘力は……。

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