"決戦に向けて集結!"『機動戦士ガンダムUC6 宇宙と地球と』


 ついに6巻目!


 ネェル・アーガマに集う、バナージ、ミネバ、ジンネマン。「ラプラスの箱」の最終座標を目指し、連邦とネオ・ジオンに所属した者が協力し合おうとする。だが、不穏な影は決してぬぐい去られていなかった。最悪の裏切りによって、フル・フロンタルの手に落ちるネェル・アーガマ。そこで、仮面の男の真の目的が明らかになる……!


 さて、次回に完結を控えて、今回はその前振りに徹した回。戦闘シーンも、前回(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20120525/1337922513 )、今回の頭についてた前回のあらすじ、今回の冒頭と、まさか三回同じシーンを見せられるとは思わなかった……。前回のあらすじいらないんだって。あれを20分もやるとか、マジに苦痛。


 さて、今回は主にマリーダ萌え回ですよ。まあ原作を読んでいればこの後のことももちろん知っているわけですが、それ抜きにしても今回の活躍ぶり! 怪我とか洗脳とかもう治りましたよ、とやつれもせずに平然たる顔になってしまってるあたりは、まあアニメだなあと言うしかないが、逆にそれが一歩突き抜けて、誰よりも先に行っている感を醸し出している。
 今回は前振りとキャラ描写にほとんどの尺を費やしたおかげか、ジンネマンの最後の葛藤のあたりもやっとちゃんと描けて、盛り上がりにつなげられた感じ。いや〜、良かった良かった。しかしね、クシャトリヤについての「ファンネルはゼロ」という発言にガクーッとなったんだが、やっぱり再起動と同時に浮かび上がったファンネルが艦内のモビルスーツに砲口を同時に突きつけまくる、という原作の超燃えシーンがごっそりカットされてしまっていて、めちゃがっかり。代わりになんか地味な格闘戦が入っているが、動きも巨大感も今ひとつで、前回ラストの格納庫シーンの殺風景さをまたちょっと思い出してしまった……時間なかったのかなあ……。ファンネルゼロで出撃せねばならない次回の事も思いやられるね。まあまだ切り札があるわけですけど、あのシーンまでカットされたらさすがに切れるな。


 ストーリー的には、フロンタルさんの地味の極みの野望がついに明らかになる回。いや〜、台詞でざっと説明するだけだから、小説では良かったが、さすがに映画としてはもうちょい何か描くべきではなかったかと思う。あまりに地味で、何がいいのか悪いのか伝わったのかも怪しい……。ミネバの反駁のところででもイメージ映像でも入れてもよかったかもしれんね。


 そして黒のパイスーでキメキメのリディさんのやさぐれっぷりに爆笑。この人の格下感、小物感は毎回毎回素晴らしい。軽率で小物なんだけど、主人公に対しての理解があるから重要キャラになれる……はずが、敵対して足を引っ張る側に回るんだからなあ。ちょっと人のいいジェリドという感じで、典型的なオールドタイプだよね……と思うんだが、なぜか扱いがいいのな。


 物足らなくはあるが、一時間分のバランスとしては第一話と並んで良かったのではないか、という回でした。さあ、一年後の完結に向けて、スタッフは頑張って欲しいですね。足のないアレも気になるな!