"あれは木枯らし紋次郎！"『レジェンド・オブ・フラッシュファイター電光飛龍方正玉2』

出版社/メーカー: クロックワークス
発売日: 2003/07/25
メディア: DVD
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　ジェット・リーには珍しい、『ワンチャイ』以外のシリーズ物。

　紅花会に加わった方正玉だが、会長に託された謎の箱を日本の武士から奪取する任務に失敗してしまう。箱には会長の出自の秘密が隠されていた。裏切り者が蠢動する中、方正玉は失敗の責任を償うために、箱を手に入れた新任総督が開催した武術会に参加する。優勝すれば、総督の娘と結婚し箱を手に入れることができる。しかしすでに妻のいる方正玉は悩み……。

　第一作（http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110219/1298085534）に続き、また別の嫁取り合戦に参加させられる方正玉！　あんだけもめにもめた恋愛劇が、続編でさっさと三角関係になってしまうあたり、面白そうなことはなんでもやるんだよ、という気概が見られる。今回も引き続きジョセフィン・チャオのお母さんが大活躍。方正玉のピンチには必ず助けにくるのだが、事態をややこしくさせることもしばしば。本筋がなかなか進行せず、キャラによって混ぜっ返されてしまうシナリオが今作の特徴だな。主人公の成長物語としても微妙で、最後の教えも「暗記しただけじゃないの……？」と思わず突っ込んでしまう。

　日本の武士もちょろっと出て来て、プチ国辱映画でもある。しかし、ジョセフィンお母さんの扮したニセ木枯らし紋次郎が登場したら、武士たちがハハーッと平伏するあたりにはバカウケしてしまったではないか。これ、明らかに別の時代劇と混同してるよね。
　前作以上に筋はどうでもよくなっている感ありだが、今作では監督コーリー・ユエンが自ら出演して殺陣も披露！　それほど動いてないけど、ちょっといいものが観られた気分。最大の見せ場は、大量の日本刀を抱えたジェットが、目隠ししたまま多数と戦うシーン。ここの振り付けは後に『キス・オブ・ザ・ドラゴン』にも引用されておるよ。ツボを突いて動きを止める技も登場するしな。前作と合わせて楽しめる佳作。