年の瀬の夢の話と年末のご挨拶

 映画のことばかり書いていないで、年の最後ぐらい、身辺のことを書いてみようかと思う。


 家業の他にアルバイトもしていて、そちらは30日まで出勤が続き、職場自体は無休なので、毎年のことながらあまり年末という気はしない。ごく当たり前の日常が連なるのみ。それでも今年は31〜2までは休みになり、30日は最後の出勤ということで、いつも通り自転車で職場に向かっていたところ、通り道の小学校の側で「見守り隊」の札をぶら下げた、着膨れしたおばあちゃんに呼び止められた。


「お兄ちゃん、今日は学校ないんかな?」


 もう年末だよ! 一瞬、今日は仕事納めでもなんでもなく、まだこれから二週間ぐらい働かねばならんかったのではなかったか……と錯覚してドキッとしたものである。普段ぞろぞろ歩いてる小学生は無論影も形もなく、おばあちゃんに、


オレ「もう30日。学校は冬休み。家でゆっくりしといたらいいですよ」


と懇切丁寧に説明していたら、遅刻しかけた。いいことをすることは大変気持ちが良いのである。しかしまあ、家の人は誰も止めないのか、それとも一人暮らしなのか、ボケと言うほどでもない勘違いなのかもしれないが大丈夫なのか、とか色々と考えてしまったね。


 さて、今年は震災、原発事故はもとより、仕事においても孤独死、水難、猫問題など、あえて振り返ることはしないが色々と大小含めてトラブルの多い年でもあった。が、裏を返すようにプライベートは好調を極め、旅行やオフも含めて、多くの人との出会いによって色々と良いことに恵まれた一年でもあった。
 そこんところ踏まえて、ここ数日に見た夢の話。


 少し前に『宇宙人ポール』のTシャツをゲットし、


 実物の写真(洗濯前)。


 さてこいつは果たして着たものかしまっておいたものか考えていたのだが、数日前、夢に町山智浩氏が出て来たのである。



 なぜか僕の家の前の道路で撮影か何かをしていて、家の持ち主である僕がそれに立ち会っている、という状況。撮影もたけなわとなり、一区切りついて和やかな雰囲気でスタッフも談笑中になり、そこで僕は思い切って声をかけた。


オレ「あの、サインもらっていいですか?」


町山氏「あ、いいよ〜」


 オレは部屋にとって返し、なぜか著書ではなく宇宙人ポールTシャツを持ち出し、


オレ「すんません、お願いします!」


 快くサインをしてくれる町山氏。しかし、なぜか両面ともにすごく色々とメッセージ的なことを書いてくれて、Tシャツが一人寄せ書き状態に!


 なんだかんだで感激したオレは、


オレ「ありがとうございます! 大事にしまっときます!」


と言ったのだが、町山氏はいつもの超笑顔で、



町山氏「何言ってんの、着てよ〜! これ着なきゃダメでしょ〜!」


 うーむ、確かにそうかもなあ。目が覚めてTシャツを見たらば、もちろんそこにサインはなかったのだけれども、やはり着ないともったいないな、と思い、翌日のウエイトトレーニングに着て行ったのであった。


 さらに数日後の朝。夢の中で、僕は飲み会に参加していた。最近のオフの流れで僕が主催者らしく、しかし映画クラスタのオフでもないらしく、ぷーちさんがいたり(めちゃめちゃ酒飲んでたけど……別人だろ……)する他に、ジムの知り合いなんかも来ていたりといろんなところの人が集まっていて、何の会かはよくわからない。
 さてじゃんじゃん酒を飲んで、さあお会計、ということになり、会費を集めてさあ払おう……としたら、全然足らないのである。


 いや、焦った。一瞬、パニックに陥り、追加で徴収をするしかないか、と考えた瞬間、


「ほらよ」


……と無造作に二万円を差し出す人物が! すげえ、ありがたや、いったい誰だ、オレの知り合いにこんな太っ腹な人がいたのか……!? と思って見たらば、

















……跡部様だったんですね……!


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 現実の中でも久しく感じたことのないぐらいの感謝と感激の念が湧き上がり、むしろ戸惑いを覚えてしまった。まさかご参加頂けていたとは……! さすがは跡部様だ! 日頃カリスマだなんだと持ち上げられてても、僕ごときはちょっとお金が足りなくなっただけであたふたする凡夫に過ぎないのだが、やっぱり本物の(二次元だけど)キングは違うぜ!


 跡部様のおかげで無事にお会計を済ませ、もう心の中では大跡部コール。


「勝つのは跡部! 勝つのは氷帝! キーンーグ! キーンーグ!」



 跡部様ありがとうございました! 今までネタ扱いしてましたけど、ほんとすんません! 一生ついていきますから!
 裏を返せば、リアルな知り合いにはそこでポンと二万円出してくれそうな(と僕が思っている)人はいないということでもあり、さらによく考えたら跡部様の割に二万円というのは少々セコくないか、しかもその二万円には、



 一緒にいた日吉の分も入っていたというのがまたあれなんだが……。


 しかしまあなんだかんだで、どっちもいい夢だったなあ。思い越せば、今までに見た有名人に会ったりする夢は、あたふたしたまま終わることばかりだったし、ピンチに陥る夢は必死になって駆けずり回って解決しないまま目が覚める、ということがほとんどだった。これはおそらく僕の中の自分自身に対してを含む人間不信的な部分がそう夢見させていたんだと思うんだが、今回は珍しくうまく行ったり、親切に助けてもらえたり……。これはやっぱり、近頃の僕自身が人付き合いに恵まれたということで、そんな2011年を象徴するような夢であったのではないかな。


 回りくどい書き方になりましたが、要は皆様のご愛顧とお引き立てにより充実した一年を送れました、ということです。来年もまたよろしくね! 良いお年をお迎え下さい!