『人造救世主 ギニー・ピッグス』小林泰三
- 作者: 小林 泰三
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/02/25
- メディア: 文庫
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謎の組織メサイアと、歴史上の偉人の遺伝子から作り出された超人たち。襲いかかる超人たちに、その脱走した試作ナンバーであるヴォルフは、能力のない身でありながら敢然と立ち向かう。「人類史上最悪の虐殺者」のクローンとしてではなく、彼自身としての存在を証明するために……。死闘の中、組織誕生の秘密がついに明かされようとしていた……。
前作の感想はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20100915/1284553100
過去の回想含め、ほぼ全編戦いっぱなし! じつに潔い構成だ。相変わらず延々と説明台詞を交わしながら戦う超能力者たち。いや〜、ジャンプマンガでもここまでやったら呆れられまっせ、というぐらいのしつこいまでの解説。しかしこれが味なんで……。戦い終わってもなお、死にかけで感想戦やるあたりも面白い。「能力」での「勝ち負け」が、この超能力者達の存在意義の根幹をなしているからでもあるのだが。
しかしほんとに映像化したらどんな感じになるだろう?
主役のはずの人も後半から登場してほぼ戦いっぱなしで、あまり話は進まなかった。ところで、ネタバレ無しで書くけど今回正体が明らかになった人は、こういう設定じゃなく普通の人間だった方が、前回ラストの台詞はより重く生きたと思うんだがなあ。そこだけ残念。
ラストはまたも過去回想。敵の組織の誕生の瞬間が描かれる。ここだけ短編にして取り出せそうで、艦長がやられてしまったとことか、じわっと泣けたなあ。ここらへん、グロいだけの作家ではなく、かつての短編集中心の時代の上手さを再確認。
そして、前作のもやもやしたラストと対照的に、完璧な引き! うおおおおおお、続きはどうなるんじゃあ! こりゃあ完全にシリーズ化だな。『ネフィリム』とか続きが出ずに物足りなく終わったものだが、今回は売れてるのか。次作も楽しみに待ってます!
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