"レビューに書いてあったのはそればかりだった"『メダリオン』

メダリオン [DVD]

メダリオン [DVD]

 DVDで鑑賞。ハリウッドジャッキー映画。


 千年に一度、少年僧の手で二枚が一つになり、継承者に不死身の力を与える伝説の「メダリオン」。香港のある寺で儀式の執り行われていたそれを、「蛇頭」の首領が奪おうとする。居合わせた香港国際警察のエディは、インターポールのアーサーと反目しながら、それを阻止するも、誘拐されてしまった少年を追ってアイルランドへ飛ぶことに……。


 これね〜、公開当時、見なかったんですよね。何で観なかったのか? まあハリウッドジャッキーに食傷気味で、理想とは程遠い、かといって今のあるべき姿でもないジャッキーを観るのがちょっとしんどかったというか……。それでも、観ないでいると内容が気になったので、チラチラとレビューだけは追いかけてました。
 その当時のレビューに何が書いてあったか? すっかり忘れてましたが、改めてこうして観てみると、鮮明に思い出されました。


リー・エヴァンスがつまらない」


 そう、当時見かけたあらゆる評や感想に、こう書いてあったんですね〜。
 要はもともとコメディ・リリーフも常に兼ねているジャッキーの側に、もう一人コメディ要員を置いて、しかも掛け合いよりも単独のギャグを多く挿入するから、いかにも異物感を感じるのである。


 そんなものはいいから、いつものジャッキーギャグをいれとけばいいんだよ! ジャッキーと言えば定番なのは、アクションシーンでの「痛そうな顔」だ。敵を殴るつもりがどっか固いとこを殴ってしまってイタタタタ……文にしても面白くないが、これはもう誰にも真似出来ない神の領域ですよ。今回、最高だったのは、不死身の超人になったジャッキーが、ヘリコプターにビルの屋上から飛び移ろうとして失敗し、30mほど落下して地面に叩き付けられるシーン。もちろん不死身だから死なないんだが、痛覚はちゃんとあるので……半端なく痛そうな顔を見せる! ここが本当に究極的な痛そう顔で、声だして笑ってしまった。


 ファイトシーンはワイヤーを多用、ジャッキーにはさほど多くない華麗さ重視のハイキックなどもあって、まあたまに見る分には新鮮。アクション指導はサモハンなのだが、なぜかコンテナ周りでの立ち回りが多いのが気にかかる。なんか同じくアクション指導したヴァン・ダムの『ノック・オフ』のコンテナシーンを思い出したな……。
 バルクールっぽい追いかけっこのシーンもあるが、ここもジャッキーならではのアクション。高いところに登って下りる、という単純な動作をワンカットでやるリアルさと創意工夫がたまらんね。


 ジャッキーが製作もやっているので香港色が強いのもポイント。メインの悪役はジュリアン・サンズだが、脇にアンソニー・ウォンも登場。まああまり面白い役ではないが……。さらに、ウエイター役でニコラス・ツェーとエディソン”流出”チャンが揃ってゲスト出演してるのには吹いた。因縁の二人ですな……。


 結局、ジャッキーとエヴァンスの関係共々、香港の役者とハリウッドの役者の絡むシーンが少なく、まったく融合していないので、全然共作感がないのももったいない。スケジュールや地理関係による別撮り以上に、何か政治的、人間関係的な問題でもあったのかと勘ぐってしまうね。
 ヒロインのクレア・フォーラニは結構好きだがな〜。『ジョー・ブラックをよろしく』『バジル』と見た時は来るかと思ったが、旦那のダグレイ・スコットともども、結局ブレイクしなかったね。


 まあまあ、所々に味もあったものの、全体的にハリウッドテイストにジャッキーがスポイルされてしまったな、という感は否めない作品でした。しかし『タキシード』はこれよりもつまらない、という噂だが……マジで? そのうち観るけど……。

人気ブログランキングへご協力お願いします。