2011/1/9 Krush初代王座決定トーナメント 〜Round.2〜 試合感想

 GAORA放送で視聴。

第5試合 70kg Fight 3分3R(延長1R)
名城裕司(国士会館)
×堤 大輔(チームドラゴンJ-NETWORKウェルター級1位)
判定3-0 (和田30-22/朝武30-24/豊永30-24)

 名城、柔らかく構えてるな〜。右ジャブが伸びる伸びる。堤はまったく対応できない。あまりに当たるので、ちょっと後半はヘッドハンター気味になってしまったか。最初にダウン取ったハイキックをもっと出していれば……。しかしダウンを取り続け、判定でも圧勝。
 強いな〜。やはり70ではちょっと小さい感じだが、左も伸びるし体格差を感じさせない。山本戦見たいな〜。

第6試合 70kg Fight 3分3R(延長1R)
山本優弥(青春塾/K-1 WORLD MAX 2009世界トーナメント3位)
×渡辺雅和(チームドラゴン
2R 2'16" KO (左フック)

 ガードを下げ、ワンツーフックと膝で山本の動きを止める渡辺。足を止めてコンビネーションをまとめ、山本の顔面にパンチを何発も打ち込む。結構巧い選手だな〜。
 しかし山本もしっかり顎を引いてローを返し、引かない。この根比べこそが山本のスタイル。2ラウンドからじわじわとロープに詰めるように。ボディとローで動きを止め、ついに連打を顔面に打ち込みダウン奪取。そのまま圧倒して勝負を決めた。
 渡辺も見栄えのするコンビネーションを出してたが、ちょっと地力が違ったか。

第7試合 Krush -63kg 初代王座決定トーナメント一回戦 3分3R(延長1R)
×寺崎直樹(青春塾/元全日本ライト級5位)
○才賀紀左衛門(M&Jキックボクシングジム/K-1 WORLD MAX 2010 -63kg Japan Tournament 3位)
判定0-3 (久保坂29-30/勝本28-30/和田27-30)

 体格で勝る寺崎なんだが、リーチ差が全然使えてない。才賀の接近戦の距離に入られてしまっている。……ん? でも才賀はこんな入ってくるタイプじゃなかったよな。しかしうまくなってるな。ガードも固くなってボディにも散らしてくる。
 序盤から固められた寺崎は、手数も出せずに完全にペースを握られる。才賀、試合運び巧い。嫌な攻めしてくるし、常に余裕がある。パンチの回転も上がってるし、去年の韓国よりも伸びてるなあ。
 才賀は準決勝に進出し、梶原戦を要求。これは観たいかも。

第8試合 Krush -63kg 初代王座決定トーナメント一回戦 3分3R(延長1R)
×山本佑機(橋本道場/WMAF世界スーパーライト級王者)
○白濱卓哉(建武館/2009 Krush Rookies Cup優勝)
4R 判定0-3 (朝武9-10/久保坂9-10/勝本9-10)
3R 判定0-1 (朝武30-30/久保坂28-30/勝本30-30)

 うお、延長からか。白濱は雑な印象だが、ステップを駆使してヒット&アウェイを繰り返す。やはりK-1ルールはこの攻防一体がトレンドだよな。キックを使いたいが蹴りの距離を保てない山本。
 判定は白濱。これは微妙でも何でもないだろう。

第9試合 Krush -63kg 初代王座決定トーナメント一回戦 3分3R(延長1R)
梶原龍児チームドラゴンWFCA世界ライト級王者)
×TaCa(triple-y/J-NETWORKスーパーライト級3位)
判定3-0 (久保坂30-29/豊永30-29/朝武30-29)

 アウトボクシングでカウンター狙いの梶原。詰めるTacaに対し、確実に当て込む。Tacaはプレッシャーをかけ、ローを蹴ってからパンチにつなげていく。が、距離感が合わず、被弾が多い。梶原もディフェンスは巧い方ではあるんだろうがガードも低いし、隙もある。Tacaは圧力の掛け方が中途半端で、もう少しロープ際に追い込んでから仕掛ければ命中率も上がったろうが、本人も低いガードからパンチを打つスタイルだから、そこまで徹底できなかったか。ちょっと無意味に梶原の土俵で戦ってしまった感じ。
 ところで、リングサイドの谷川さん、寝てなかった?

第10試合 Krush -63kg 初代王座決定トーナメント一回戦 3分3R(延長1R)
卜部功也チームドラゴンK-1甲子園2008準優勝)
×イ・ソンヒョン(韓国/仁川ムビジム/韓国格闘技協会ウェルター級王者)
4R 判定3-0 (和田10-9/豊永10-9/朝武10-9)
3R 判定0-0 (和田29-29/豊永29-29/朝武29-29)

 イ・ソンヒョンつええ〜! キザえもんじゃ勝てないわけだ。
 結構、似たタイプ同士の試合になったかな。Krushのマッチメイクは、K-1の谷川P流が結果から逆算してるように思えるのと違い、まず噛み合う内容になるかを優先しているように感じる。相性とここまでの試合を考えて、試合内容が良くなるように考えていると言うか……。
 スイングこそしないが、お互いが技術をフルに発揮する好勝負。卜部の必死の形相が見られたが、これはどっちの選手も一回り大きくするんじゃないか。
 延長になってあそこまでのフットワークを駆使する卜部に凱歌が上がったが、大接戦。
 K-163キロは、これで卜部、大和、久保、ソンヒョンが現在四強だろう。ソンヒョンはKrushトーナメントのリザーブにも呼ぶべき。

第11試合 メインイベント 70kg Fight 3分3R(延長1R)
佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー/K-1 WORLD MAX 2010世界トーナメント準優勝)
×シェムシ・ベキリ [Shemsi beqiri](スイス/チーム・スーパープロ/WKA&WFC世界ミドル級王者、WFCAムエタイ世界スーパーウェルター級王者)
判定2-1 (豊永30-28/和田28-29/勝本29-28)

 ベキリは思ったよりかずっとK-1ルール向きのファイターだったなあ。戦績こそ凄いがこのルールにはアジャストしきれない選手も多い中で、きっちり中間距離のパンチの攻防もこなす。決して舐めてかからない佐藤だからこそやりあえたが、下手な選手ならなす術もなくぶっ潰されてたんじゃないか。
 とは言え、膝、ローのクリーンヒットまで考えれば、全体に佐藤の試合ではあった。毎試合この仕上がりで来ることのすごさは、もっと伝えていかないとなあ。
 このベキリみたいな新顔をきっちり売り出せるなら、Its showtimeもまだまだ盛り上がるだろう。ドラゴ、ディレッキーあたりともいい勝負になるはず。同じ顔ぶればかりではつまらない。
 Krushにしても、次に山本なり名城なりの相手に起用してはどうか。


 さて、ちょっと3月の決勝トーナメントは、初の後楽園観戦をしてみようかと考え中。まあチケットが取れたらの話ですけどね。

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