"あれを期待したら大凡作"『ドラゴン電光石火'98』
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2000/04/25
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フィリピン、マニラ……。香港から出向してきている刑事チャンは、妻を殺されてから暴走しがち。だが、ついに休暇を取ろうとした直前、妻殺しの宿敵ディックがマニラに来ている事を知る。現地の刑事エドゥと疎まれながらも組み、ディックを追うチャンだが……。
もうタイトルがブルース・リーのパロディでさえなくなってるのだが、さすがに名作の名は冠さない方がいい内容だった。さらに、実は94年作品であるというウソ……。『'97』と実質の抱き合わせ公開。先に『'97』を見て、期待して観ると憤死ものだな。
妻を失い、復讐に燃える刑事役のドニーなのだが、そのせいでつい暴走しがち……というよりは、行き過ぎて情緒不安定になってる。人質を無視してぶっ放し、クラブでは率先して殴り合い。雑な『リーサル・ウェポン』とでもいうべきキャラ設定だが、演出が適当すぎて、ドニーが演技してるのかしてないのかさえわからない。
それが相方のフィリピン人刑事との交流で成長して行く……というのが一応プロットのつもりなのだろうが、さすがに薄過ぎる。
ジョニー・トー作品でおなじみのロイ・チョンが敵役なのだが、こちらも子供を助けたかと思えばドニー嫁を殺したりと、複雑に見せようとして失敗している感がありあり。
お楽しみのはずのカンフー部分も含めてだが、カメラワークがとにかく良くない。暗さで表情が撮れていないところも多いし、アクションもメリハリがない。そのくせ、いつものやり過ぎマッハクンフーは炸裂するのだから、単にリアリティの欠如しただけの絵作りで終わってしまっている。
見どころと言うと、ドニーによるバスローブ姿でのカンフーかね。なんか、いちいち見えそうになって(というか見えてたね)ハラハラするんだよね。人によってはドキッとするかも……(笑)。
知野二郎氏の本をパラパラと振り返ってみたが、ほぼ一顧だにされていなかった……。90分、ただただかったるい。凡作。
- 作者: 知野二郎
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 1999/05
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