2010/11/08 K-1 WORLDMAX 2010 FINAL 観戦記その2

そう言えば、開場前にはコスプレしてる人たちもがっちり目撃しました。

あと、かつてに比べれば少ないんだろうが、女性二人連れ、女子高生二人連れなんかもチラホラとはいた。なんかまあ、見てるうちになんかこじらせた人たちなんだろうかねえ。



<拍手お返事>



>ゆずマシュマロさん

えええええ〜、そうだったのですか! 銀玉氏もさぞ残念だったことでしょう。やっぱりそういう時の緊急連絡のためにもツイッターですよ(笑)。

また来年お会いしましょう! あると信じて!



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▼トーナメント準々決勝 第1試合 K-1ルール3分3R延長1R

マイク・ザンビディスギリシャ/Zambidis Club)=69.8kg

VS

長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾/K-1 WORLD MAX2010日本代表決定トーナメント優勝)=70.0kg


 今年は大きく成長を遂げた自演乙。防御力が数段上がり、それに比例してカウンターを活かせるようにもなった。が、相手は復活した古豪ザンビディス魔裟斗、コヒ、佐藤、日菜太が乗り越えてきた壁だが、相性も考えると容易い相手ではない……。
 それなりに緊張感を持って見ていたつもりだったのだが、最初に飛び込んでのザンビの左ボディの速さには度肝を抜かれましたな。いや、かつて広島で見たはずなんだが、あの時はサワーにうまく封じ込められてたか? ここまでの勢いはなかったような気がする……。1ラウンド、目が慣れてない長島は、このボディと頭部へのフックを数発ずつ被弾。ステップで距離をずらすのも間に合わず、ズバリとヒットされたね。しかしそれでもタイミングを計っていたか、終了間際にに右のカウンターを合わせて見せる。苦戦の1ラウンドだったが、後半あるいは?と思わせる一発だった。
 
 2ラウンド、膝と前蹴り……いや、こりゃ三日月か? 軽く当ててるイメージだが、ザンビがちょっと嫌がりだした。やっぱりこれ、相当効くんだね……。頭を振ってザンビディスのフックも流し始める。圧力を巧くいなし、何とかイーブンに。しかし、今日のザンビディスはいつもの出入り以上に、圧力をかけて来てる。後から思えば、これは次にペトロシアンを相手に回すことも想定してやってきていたのか……?
 
 ファイナルラウンド、1ポイント差をつけられていた長島は、果たして打ち合いに臨まんとする。しかし……少々気が逸ってたか、脚が止まってたな……。2ラウンドに当たりだした縦拳で勝負を賭けるが、ザンビディスのフックも再びヒット! 踏ん張り、打ち返そうとした直後……脚をもつれさせるようにしてダウン! 当たりを見ると頭頂部に近いところで、一発で効くようなパンチではなかったんだが、1ラウンドからやはりちょっと蓄積があったか。2ラウンドも流したと思ったところで、徐々に積み重なっていたのか……。相変わらずガードも低めだったし、避けられないダメージであったか……。
 立ち上がり、距離を取ろうとするが、ザンビディスは手を休めない。コーナーに詰めてさらにフックを見舞い、よろめいたところでレフェリーが割って入った。
 ん〜、もうちょっと余力もあったかもしれないが、一発でぐらついたじゃなくてダメージが溜まってきてたから、ここで止めたのは妥当な判断だろう。
 
 しかしザンビディスやはり強い。毎年、そろそろピーク過ぎたかな〜と思いかけるんだが、劣化しないなあ。相変わらず攻撃パターンは少ないんだが、特化してる分、変に新しいテクニックに走って弱体化することもないし、長所だけ伸ばしてるイメージ。さすがにちょっと耐久力は落ちて来てると思うが、あんだけフックの弾幕張られると、手も出ない。
 長島は総合力で一歩も二歩も及ばずだったな。しかし、クラウスにのされたことを考えれば大健闘だろう。来年はもう一伸びできるか?




▼トーナメント準々決勝 第2試合 K-1ルール3分3R延長1R

アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ/K-1 WORLD MAX2002世界王者)=69.5kg

VS

ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/サトリ・グラディエートリウム・ネメシス/K-1 WORLD MAX 2009世界王者)=69.7kg
 
 リベンジマッチだが、対戦を選んだのはペトロシアンの方だ。心中は計り知れないが、一度勝ち、相手に苦手意識を植え付けたと言う計算があったのかもしれない。
 先のザンビVS長島が文字通りベスト4を賭けた対戦であったのに対し、この第2試合は事実上の決勝戦とも言われる。見ているこちらも緊張が高まる。去年はこのカードも地上波で見てたから、あっさりとダイジェストで「消費」されてしまったんだよなあ。もったいない。
 
 じわじわプレッシャーをかけるクラウス。ペトロシアンは左ミドルと左膝を見舞い、右の前手で距離を取る。クラウスの踏み込み際に火を噴く左ストレート、右フックのコンビネーション。しかしクラウスもがっちり膝をブロックし、前進する。が、隙あらば顔面を打ち抜くペトロシアンの拳に対し、有効打を返せない。1ラウンドはことごとく空転させられたクラウス。
 2ラウンド、クラウスは同じ作戦。近距離でのボクシング勝負に持ち込めばあるいは……。やや距離が詰まり、ボディを幾度か叩くように。だが、相変わらずクリーンヒットは常にペトロシアン。クラウスはやっと詰めてもフックの連打はブロックされる。ペトロシアンはロープ際から逃れるのも巧い。回り際のワンツーで、一瞬クラウスのガードが落ちるシーンも。
 3ラウンド、蹴りの減ったペトロシアンに対し、ついにコーナーに追いつめるクラウス。ペトロシアンもさすがに表情が険しくなるが、スタイルは変えず、回りつつ打ち返す。互いにヒット。このラウンドは互角か。
 
 判定はペトロシアンが1ポイント差をキープして逃げ切り。
 クラウスさすがに研究した様子が見られ、巧いが攻撃パターンの決まっているペトロシアンの距離を潰して、うまく闘っていたなあ。しかしそうは言っても、「ロープに下がらせてブロックさせた」だけで、クリーンヒットの数では遠く及ばず。健闘はしたが、実力差はまだあった。
 ペトロシアンも、3ラウンドはもっと距離を取る選択もあったと思うが、きっちり迎え撃ってイーブンに留めた。クールそうだが、やっぱり根底のところでどっか若くてファイターだよな。クラウスをここまで乗せてしまったのは誤算だったかもしれないが、最後もまだ残ってた余裕を吐き出す勢いで応戦。「ポイントは勝ってるし、打ち合っても当たりゃしねえよ、やってやるさ」という風にも見えた。
 
 
▼トーナメント準々決勝 第3試合 K-1ルール3分3R延長1R

ドラゴ(アルメニア/チーム SHOW TIME)=69.8kg

VS

ハメド・カマル(モロッコ/ボスジム アムステルダム/K-1 WORLD MAX 2010 西ヨーロッパトーナメント優勝)=69.4kg
 
 初対決。
 1ラウンド、カマルのスピードスターぶりが如何なく発揮され、対角線のコンビネーションを幾度も決める。ドラゴはちょっと様子を見ているか。やや遠目の間合いから、長いパンチと踏み込んでのローを多用。これは動く相手対策と言うことで、ちょっと練習してきたか? 回転の速いカマルの打撃を警戒してか、手数が少ない。一度、すっと懐に入ったにも関わらず、攻撃しない場面もあり。重いミドル、ローで攻める。カマルは手数では上回ってるが、効かせるようなシーンは作れず、このラウンドはイーブン。
 2ラウンド、目が慣れるのを待っていたか、ドラゴがフックの距離に入って仕掛ける。カマルもこれは望むところ……だったのかもしれないが、ドラゴのもうコンビネーションとも言えないような右フック連打のビッグパンチを受けてしまう。ブロックはしてたんだが、数発でやや効かされてしまったか? この距離こそカマルの得意なゾーンでもあるんだから仕方ないんだが、ドラゴにはやはり攻撃させたらダメなんだよな。コーナーに詰められ、返しの左フックを浴びたカマル、ついに薙ぎ倒される。
 最終ラウンド、回復したか再び仕掛けるカマルだが、テンカオに右ストレートを合わせられダウンを取られる。効いた様子はなかったし不運な当たりだったが、先に一度ダウンを取られていることも影響しただろう。中盤、フックをヒットさせ、一度ドラゴを後退させたのだが、立て直され反撃を浴びて出血。万事休す……。
 
 判定はドラゴ完勝。3ラウンドのダウンが余計だったが、それがなくても結果は変わらず。
 近距離で打ち合えばカマル……かと思ったんだけど、ドラゴ側はびびらず真っ向勝負をかけてきた。まあ相手がサワーだろうが誰だろうが、いつもそうなんだけど(笑)。やっぱり名勝負製造機だな。
 カマルは得意のスタイルで打ち合ったが、パワー差もあって攻略出来ず。やはりこの階級でやるなら、もっと入らせずに一方的に攻めるように動かないと辛いか。来年は63に行っても面白いんじゃないか。


 
▼トーナメント準々決勝 第4試合 K-1ルール3分3R延長1R

ミハウ・グロガフスキーポーランド/アカデミア・ウォルキ)=69.6kg

VS

佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー/K-1 WORLD MAX2008世界3位)=69.5kg
 
 下馬評でも有利と言われ、「一番やりやすい相手を選んだ」とグロガフスキーを指して言った佐藤。確かに、新顔二人の中でも、組み膝のないルールではちょろちょろうっとおしそうなカマルよりも、的が大きいグロガフスキーの方がやりやすそうだ。ここまで試合見た限りでは未知数だが、ロー耐性が思ったよりも低ければ、すぐに「いたたたた……」となって終わるかもしれない。
 しかし、入場してきたグロガフスキー……すげえ身体! なに、この腹筋。これが見かけ倒しでなければ……あるいは……。
 
 小さくローを当て続ける佐藤。これはおなじみ。グロガフスキーもカットして蹴りとパンチを返してくる。そんなにめちゃくちゃ振ってくるという感じではなく、受けて返そうというスタイル。佐藤のローは有効なんだが、これだけではポイントにならないのもいつも通りなので、どこでプラスαを見せるか? 佐藤はかぶせる右も当たりそう。
 2ラウンド、しかしグロガフスキー、下がらない。ローはこつこつ受けてるんだが、佐藤を押し込み、コーナーでコンビネーションをまとめる場面も作る。プッシングで脱出しようとする佐藤だが、ここでも崩れない。思った以上に気の抜けない競り合いが続く。終盤、一度ローで痛そうな顔をさせたのだが、大きくは後退しない。
 3ラウンド、ここに来てペースを上げる佐藤。正直、ここに来ても差がついていないのは、予想外だったかもしれない。強打のヒットこそないものの、応戦をやめないグロガフスキー。さすがにローは効いてきていて、足の踏ん張りは利かなくなって来ているはずだが、バランスはキープし続ける。終盤、ついにスリップし、打ち合いの中で横を向いてしまうシーン。さすがに足がついてこなくなったか……。
 
 判定は1ポイント差で佐藤。
 いや、正直もっと簡単に差をつけるかと思ったのだが……グロガフスキーが、単純に若くて頑丈で身体が強くて怖い物知らずだった。これで勝つぞ、という明確なスタイルこそ見えなかったものの、淡々と削ってくる佐藤に削り切らせず、逆に最大限削って見せた。こういう若い選手がフィジカル見せるような試合を見ると、時代が動いてるのを感じるなあ。
 
 ザンビとドラゴが完勝する一方、ペトロシアンと佐藤が思ったよりかは消耗戦をしてしまった一回戦。さあ、波乱は起きるのか?
 
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