"ぼくはプロフェッショナル(しつこい)"『ニュージーズ』

ニュージーズ [DVD]

ニュージーズ [DVD]

 クリスチャン・ベール、18歳当時の主演作。DVDで鑑賞。


 19世紀のニューヨーク。新聞売りで生計を立てる少年たち”ニュージーズ”の歌声が今日も響く。だが、売り上げ減に悩む大手新聞社が卸値を上げたことで、”ニュージーズ”は生活の危機に。リーダーのジャック・ケリーは、仲間と共にストライキを起こす事で、悪辣な経営者に叛旗を翻す。


 あ、ゆ、ぷろふぇっしょな〜る♪ え〜、クリスチャン・ベールと言うと毎回これを持ち出してしまいまして、さすがに本人にもどつかれそうな気がしますが、気にせずずっと言い続けようと思います。


 クリスチャン・ベール主演作ということで観たのだが、さすがに若い。現在の苦悩の影は見えず、顔こそ一緒だけど、子供らしい明るさも見える。眉寄ってるシーンも少ないし、笑顔がちゃんと目も笑ってる。
 でも演技はプロフェッショナルだわ……。この頃からすでに完成されてる。

 
 しかし、昔から家族のいない役柄なんだね、この人は……。父親は刑務所、母親は死んでるという設定。ミュージカル映画だからかえって説明的だったりするのだが、その孤独さゆえに仲間を求め、一方で生活の安定のために金を求めるというキャラクターが、実にはまっている。


 仲間たちには、「父は西部に行った」とウソをつき、名前も実は偽名。だが、自らの姿は偽っているものの、今を生きたいと思う気持ちに嘘偽りはない。リーダーとして新聞配達の少年たちを率い、最後も彼らと共にヒーローとして闘い続ける事を選択する。
 この後のフィルモグラフィは、『アメリカン・サイコ』『マシニスト』など、演技派志向に向かうのだが、後の『リベリオン』『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』の、影を背負ったヒーローの系譜につながる作品は、もしかするとこれだったのかもしれない。


 現在、不況の日本で見ると妙に身につまされるところをさておくと、まあ型通りでどうってことのない映画。ミュージカル部分も、若い子がいっぱい歌って踊っているというだけでそんなに盛り上がらないし……。ただ、クリスチャン・ベール史としては、意外に重要な位置づけかもしれない作品。

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