2010/03/27 K-1WORLDMAX2010 日本代表決定トーナメント試合感想

 魔裟斗が去り、小比類巻が去った日本。
 すでに佐藤が世界戦進出を決めている中、第二の男として続くのは誰なのか?

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▼第1試合 -70KG Japan Tournament1回戦 3分3R延長1R
城戸康裕(谷山/K-1 WORLD MAX 2008日本トーナメント優勝)69.9kg
VS
龍二(リアルディール/第2代RISE-70kg級王者)70.0kg

 ローが切れてる城戸。龍二のパンチの打ち終わりに必ず返す。動きもいいし、今日は良さそう……と思ったら、コーナーに詰まってるのにロー蹴ってしまい、右ストレート被弾でダウン! あちゃ……。ちょっと色気出し過ぎたか? 詰める龍二に対し、ワンツーからハイ、膝を狙って押し返す。
 放送カットで3ラウンド、逆に右ローも効かされ絶体絶命の城戸。膝連打でローブローを当ててしまい、スリップもして印象悪い。後半パンチで押し返す。クリーンヒットは龍二だったが、城戸のパンチも今までのイメージを覆す命中率。最初のダウンさえなければ……。
 それでも延長かと思ったが、2ー0で龍二。

 ん〜、結果論だが、城戸は少々浮き足立っていたか? もう少し落ち着いていれば最初のダウンはなかったろう。もちろん、最後の追い上げもなかったろうが……。龍二はパンチを相当被弾したと思うが、タフだね〜。


▼第2試合 -70KG Japan Tournament1回戦 3分3R延長1R
名城裕司(K NETWORK 国士会館)69.75kg
VS
長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾/K-1 WORLD MAX 2009ベスト16) 70.0kg

 いきなり突っ込んだ名城、パンチの交錯の中、左フックまともにもらって前のめり! ああ……右ガード下がり過ぎだよ……。で、やっぱりちょっと小さいか。この3年で、あまりフィジカルは変わってないっぽい……。なおも打ち合いになり、幾度かヒットさせるも、再び自演乙のフックをもらってバッタリ!

 んん〜、ちょっと無理があったか? たぶん……賭けに行ったんだよな、最初からラッシュして。3年のブランクを埋めるためにギャンブルに出て……そして散ったのだ……。
 自演乙は身体も張っていて、仕上がり良さそう。


▼第3試合 -70KG Japan Tournament1回戦 3分3R延長1R
中島弘貴バンゲリングベイ・スピリット/Krush 70kgトーナメント2009優勝)69.8kg
VS
TATSUJI(アイアンアックス/RISE DoA TOURNAMENT’05優勝) 70.0kg

 ジャブで距離を取り、右ローも当てるTAT。今日は足を止めないな。1ラウンド、中島の右ストレートもきっちりブロックし、翻弄する。やっと本来のポテンシャルを発揮したか、という印象だな。カウンターも小さく当て、完全に優勢のまま1ラウンドを終える。これはこのまま行くか……と思ったのだが、2ラウンド開始早々、中島の右がテンプルにヒット! 一発で完全に効かされ、横転! スリップ気味だったが、すぐに立てずダウン宣告。これは痛い……。さらに中島の追い打ちを浴び、ヒットの後に数発分置いてから、足をもつれさせて倒れる。スリップかと思ったが、ここでまたもダウン宣告でKOとなった。2度目のダウンは続けても良かったかとも思うが、脚に来てたししゃあないか。

 やっぱり……TATは悲しいぐらいに打たれ弱くなってたな……。勝った試合も負けた試合もそれなりに見て来たが、前田戦以降、効かされなかった試合を見た事がない。技術が上がる反面、打たれ強さはどんどん低下していたか……。5年目の挑戦が、静かに終わった。
 中島はKrushの時は泥仕合なイメージだったのに、えらく破壊力アップしてるぞ?


▼第4試合 -70KG Japan Tournament1回戦 3分3R延長1R
山本優弥(青春塾/K-1 WORLD MAX 2009第3位)69.85kg
VS
日菜太(湘南格闘クラブ/Toshin Family/初代RISE 70kg王者) 70.0kg

 事実上の決勝と言われた試合。
 日菜太の左ミドルと、山本の右インローの蹴り合い。ローから飛び込む山本だが、日菜太の右ジャブと左ストレートが全部正面から突き刺さる。さらに回っての右フック、左ミドルが冴えに冴え、幾度も山本の顎が上がり、上体がゆらめく。それでも前進し続ける山本だが、有効打は完全に日菜太。1〜2ラウンド通じて圧倒。しかし……なんで倒れないんだ? 日菜太強いんだけど、こうして見るとペトロシアンって凄過ぎるね……。
 3ラウンド、やや蹴り疲れたか、ロープ際で回るタイミングを逸することが多くなった日菜太。何発か山本のフック、ストレートを被弾する。ぐらつきながらも押してミドルで粘り続け、タイムアップ。

 判定は日菜太圧勝。完璧な試合運びだったな……ワンマッチなら(笑)。終盤かなり打たれたし、ダメージが心配。


▼第6試合 -70KG Japan Tournament準決勝 3分3R延長1R
龍二
VS
長島

 う〜む、万全なら龍二有利だったろうが、ダメージが違いすぎるか。
 序盤からコンビネーションを被弾した龍二、作戦を変えたか、丁寧にジャブを突いて行く。ああ、これはいいんじゃないかな、横の動きに惑わされず、飛び込み際を狙ってダメージを蓄積させれば……と思ったのだが、縦拳からのフックの切れが予想以上。逆に被弾しロープ際に詰められ……ついにうずくまってしまう。ああ……これもう頭クラクラしてるんだな……。立ち上がり、右ストレート左フックを合わせて抵抗したが、またも滅多打ち。再びしゃがみ込んでしまった。
 またもノーダメージの自演乙。いや、今日は距離感の調整もいいし、ボディへの打ち分けもいい。いやな軌道で出てくるフックを、みんなまともに受けてるね。


▼第7試合 -70KG Japan Tournament準決勝 3分3R延長1R
中島
VS
日菜太

 前進する中島に、日菜太はやはり左ミドル。スタミナはまだ余裕か? 完全に同じ作戦でワンツーも伸ばし止めにかかる。が、中島は止まらず、キャッチしてロープ際でもつれる。下がりながらミドルを狙う日菜太、コーナーに詰められ、回り切れずに戻ってプッシングしようとしたところ、ぴたりと距離を合わせた中島、フルショットの右フック! 手を伸ばして顎は隠してた日菜太だが、思いっきりテンプルを叩かれ、前のめりに! 意識はあるが身体が動かない……!
 衝撃の一撃KO! 事実上の決勝を制した優勝候補が、まさかの惨敗!

 んん〜、しかし日菜太はそれまでのダメージはあったかもしれないが、凄いパンチだった。コーナーという危険地帯で中途半端に逃げようとした日菜太の、一瞬の判断ミスだな。
 いや〜、まさかのKOが4つ並び、決勝は自演VS中島! 


▼第5試合 スーパーファイト 63kg契約 3分3R延長1R
渡辺一久(フリー/プロボクシング第52代日本フェザー級王者)62.95kg
VS
DJ.taiki(Team Nakano/2002年全日本アマチュアシュートボクシング中量級優勝) 63kg

 箸休め的試合。
 コールん時のtaikiが不気味だ。タイ練習の成果か、きっちりローを合わせるDJ。軽く蹴ってるように見えるが、想像以上にタイミングがいい。これは後々効いてきそうだ……。懐が深いので、渡辺のパンチも被弾せず。
 2ラウンド何かが起こるはずだったのだが、まさかのカットで3ラウンドに突入。DJがはあはあ言いながらローキックを蹴り込みまくる。ん〜、キックボクサーなら、一発きついローを入れたがるか、ハイでも狙うところなんだが、DJはやけくそ気味に小さいローの連発! ラウンド終盤には奥脚も蹴り始める。疲れてる割には余裕あるな……。渡辺はパフォーマンス出す余裕もなしか。
 2ラウンドまではイーブンの採点だったのだが、最終は棒立ちにさせられた渡辺がポイントロスト。またこのパターンか……という感じの結末。まあ二年目の選手なんだからこんなもんでしょ〜が……KOされないだけ鈴木悟より遥かにマシだろう。しかし成長が見えないね。


▼メインイベント(第10試合) -70KG Japan Tournament決勝戦 3分3R延長2R
自演乙
VS
中島

 いや〜、まさかの決勝になったね。自演乙のコンビネーションについていけない中島が、なかなかハードヒットできない。長島はフェイントもうまく機能させて、ヒットを立て続けに奪っている。いや、ほんとに今日は好調だ。去年の連敗してた頃が嘘のよう。
 しかし2ラウンド、ついに中島の右が炸裂し、ふらふらと崩れる自演乙。距離が合ってるだけに、ちょっとの隙でヒットするな。が、まだ動きは落ちない。
 そして3ラウンド、リードを奪ったものの前に出る中島、自演乙も真っ向勝負、お互い被弾しながらも壮絶な打ち合いに。有効打を当て続けるのは自演乙! シーソーゲームを制したのはドンピシャの右フック。中島はダメージの蓄積もあったか、倒れて立ち上がれず。

 自演乙が優勝! コヒ欠場も攻め続けたことも組み合わせも、全てが味方したな〜。コンディション調整も完全で、実力をフルに発揮しての優勝。パフォーマンスも抑え気味にして、集中力を高めて来たか。しかしオールラウンダー、ハードキッカーと当たらずに優勝してしまうとは……。


 壮絶な打ち合い続きで面白かったが、他の次世代スター候補が全て潰れるという、いかにもK-1らしいトーナメントであった。勝った者が全てを得る……これだね。しかし、魔裟斗不在と打ち切り危機で、選手はここまでやる気を出すのか。そんな危機的状況を待たなくても、もっと個人個人のリリースを匂わせて危機感を煽って行けば、自然と熱くなるんじゃないか?ともちょっと思ったのであった。なんか競争原理の行く先が間違っているように思うんだよな。

 ん〜、しかしこれで70キロは当分試合なしか? まあいいか、5月はIts showtimeがあるから……。う〜ん、佐藤や自演乙がいちいち吠え合わなくても、自然に「観たいもの」を観る住み分けは進んで行くような気がして来た。今回が結局視聴率を取るのかは知らないが、外国人を排除して、殴り合いだけ見せることにK-1MAXは特化していくのだろうか?

 放送はなかったけど、佐藤さんはザノリニを一蹴。小宮山も口だけのテイクヒーローに何もさせなかったそうで……。
 魔裟斗後のMAXをめぐるイデオロギー闘争は、まだまだ続きそうだ。自演乙優勝で、放送の首はつながり……よりキャラクター路線に振り切れるのかな……?