ペトさんとコヒさんとツイッター

 ペトロシアン欠場! コヒさん引退へ!
 ええええええ〜!……ってまあ、知ってたけど……(笑)。

 ペトロシアンVS佐藤ってのは、もちろん観たいカードなんだけど。最初っから、なぜここで組むのか?という意義がどうも感じられなかった。大会そのものは日本トーナメントがあって、そちらがメイン扱い。仮にも昨年王者が、予選の添え物のような形で、世界トーナメント連覇という目標と関係ないワンマッチをやる必要ってあるんだろうか?

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 ペトロシアンにしてみれば、秋からのトーナメントに出られることは決まってるし、そこに向けて拳を治しつつ調整したいはず。イージーな相手ならともかく、佐藤のような粘り強く嫌らしく、まして去年は一回戦負けの相手とやるのは、ハイリスクローリターン過ぎる。佐藤にしてみれば、逆に去年の失点を挽回するチャンスで、美味しいところだらけ。

 さいたまコミュニティでやるようなちっちゃい大会で、王者のオレが脇役って……ケム戦と連戦になっちゃったし、無理はしないでおこう……と思ったとしても、何ら不思議はない。彼自身にはオファーが行ってない、なんて報道もあったし……。

 これがサワーやブアカーオならば、ほいほいと受けてくれるところなのだが、むしろそれは彼らの方が特殊だったのではないか? メリットのない試合を、興行のために受けてくれる……そんな歴代王者にプロモーションは甘えてはいなかったか。競技としての最大の目標になる「連覇」を中心に考えたら、「無駄なワンマッチ」の回避は至極妥当だ。選手にはオファーを断る権利があり、断られないためには選手のメリットを掲げて交渉するしかない。金銭……名誉……独占契約……そういったものだ。王者に対し意義のないワンマッチを組むなら、当然対価が必要になる。その対価を示せないのは、プロモーターに力がないということに他ならない。

 それぞれSBやムエタイ、家族やジムを背負ったサワーやブアカーオが、きつい連戦に耐えて参戦し続けてきたことは素晴らしい事だ。K-1にとってとてもありがたいことだった。だが、同じことをやらないからと言って、ペトロシアンを非難するようなことがあってはならない。試合をしないことも、選手にとって当然の権利なのだ。結局は骨折ということになったが、そうでなくとも断られても仕方ない。

 このカードが成立しないなら、それはFEGの責任に他ならない。イッツショウタイムより早くオファーし、ケム戦よりも良い条件を提示し、独占契約を結ぶ事ができていれば、こんな事態にはならなかったのだ。
 王者としてK-1を背負え、と言うならば、王者に相応しい扱いをすべきだ。王者自身にとって意義のないワンマッチは、それにはあてはまらない。運営サイドは猛省すべきだろう。K-1の権威を貶めているのは、自分たちだ。


 コヒさん欠場で名城繰り上がり。
 名城のリザーブファイト発表の記事が公式から削除されてたのは、こういう理由だったのか。てっきりまたクレームがあったかと……(笑)。
 自演乙はハードルこそ下がったがリターンもなくなり、ハイリスクになった。これで打ち合って勝てないなら、もう次はないかもしれない。名城はチャンスだなあ。コスプレでテレビ人気だけ持ってるピエロを倒し、名前を売ることができる。これを活かせるか?
 同じブロックがパンチャーばかりになり、城戸は逆に有利になったかな? もっとも、名城か自演が最初のラッシュであっさり勝ってしまい、自分は蹴り損で脚ボロボロということも考えられる。

 コヒさんは2005年以降、ずっと怪我に悩まされてたよね〜。
 2005年、決勝トーナメント前に負傷。アンディ・サワー戦は強行出場でクリンチ頼み、いつものセデス。
 2007年、日本トーナメントに出場。脚を痛めており、アンディ・オロゴンに初白星を献上し恥をさらす。
 2008年、佐藤戦がワンマッチで決まるも、欠場。復帰戦ではメスに惨敗。
 2009年、日本トーナメントを制するも、怪我で本戦に進めず。復帰戦でドラゴに完敗。

 2007年以降、強行出場と欠場を繰り返している。とうとう限界が来たか。リング上でいつも、あまりに早々と「精神的限界」を迎える姿を見せ続けて来たコヒさんが、先に「肉体的限界」を迎えてしまったというのは、何か不思議な結末だな。逆に、リング上でギブアップ同然のことを繰り返したからこそ、身体がここまで保ったのかな。あのセデスを見せず、全てを出してファンが望むような果敢な戦いを見せていれば、きっともっと早くリングを去っていただろう。
 引退試合をやるそうだが……ここは魔裟斗が侠気見せるしかないっしょ(笑)。ダメだろうな〜。


 さて、佐藤の相手はダリノ・ノザリニ……ん? ダニノ……? ロザノニ? ザノリニ? まあ何でもいいや、知らん選手。
 とりあえず、会場組のファンの皆様は、御愁傷様です。オレも、「コミュニティアリーナ(くらいの規模)でペトロシアン見られるなら行こうかな?」とチラッと考えました。

 今回のペトとコヒさんの欠場については、ツイッターで早々とカミプロからリーク(笑)がなされていて、僕は無駄なチケットを買わずにすんだ。
 この事に関して、佐藤選手のツイッターhttp://twitter.com/yoshiHEROsato)には問い合わせが殺到したらしく、20日時点でこういうつぶやきがなされる。

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RT @yoshiHEROsato あることで多くの方から問い合わせが来ていますが、公式発表をお待ちください。嘘はつきたくないので嘘はつきませんが、言えないことはあります。ただ試合はやります。
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 核心には触れず、「自分は試合する(ペトロシアンは出ない)」と認めた内容。
 ライターの橋本宗洋氏(http://twitter.com/Hassy0924)が、

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う〜ん、言えない立場の人間に問い合わせても無駄だし、本人を心苦しくさせるだけだと思うんだけどなぁ。「ツイッターだからこっそり教えちゃいますけどね」なんてことはないわけで...。
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 後でこういうつぶやきをされていたのだが、いや、全然無駄じゃないし! 佐藤選手が認めてるから! ペトロシアンが出る、出ないで全然チケットの価値が変わるから!
 で、これが僕のつぶやき(http://twilog.org/chateaudifkm)。

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いや、佐藤選手のつぶやきは、認めたも同じですよね。問い合わせた人にとっては、試合には出るという情報は得られたし、無駄だからやめろという論法は通じないんじゃないですか。RT @Hassy0924 う〜ん、言えない立場の人間に問い合わせても無駄だし、本人を心苦しくさせるだけ
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 対して橋本氏は、

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ただ、選手を心苦しくさせる可能性があるわけですから。こういうのは主催者サイドに問い合わせたほうがいいと思うんですよね RT @chateaudifkm: いや、佐藤選手のつぶやきは、認めたも同じですよね。問い合わせた人にとっては、試合には出るという情報は得られたし、無駄だからやめ
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損するのはファンだってことは、充分わかるんですけどね...。
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 いや〜、ツイッターって面白いでしょ?(笑)。
 真面目な人は結構答えてくれるし、リアルタイムだから、本音に近いところや、様々なボジションとの距離感が透けてみえる。

 橋本氏は選手に対して同情的な立場だが、主催者に聞けばいいじゃん、ってのは論外で、残念ながらFEGというとこは発表も遅い前歴があり、それが仮にない、あるいは無理からぬことであったとしても、そもそも「ネガティブな情報を隠すことで利益を得ることが出来る立場」なんだよな。具体的に言うと、欠場情報を直前まで隠した方が、それまでチケットがいくらかでも売れる、ということだ。そんなところの良心に期待するのか? 同じツイッター上でも、事実興行側アカウントはこの件を黙殺した。
 そうなると、同じだけの情報を持っていて、そういう利害のない(あるいは少ない)選手に聞こうということになる。

 ……いや、ほんとは選手に聞く必要なんて、さらさらないはずなんだけどね……。マスコミがもっとこういう情報をバンバン出してくれたら(笑)。今回のことは、まことにカミプログッジョブ!と言うしかない。次回はミスのふりしたリークじゃなしに、裏取った正確な情報の即時報道に期待する。無理だろうけど(笑)。
 別にマスコミの人だからと言って、橋本氏を非難するつもりはない。彼は細分化するとライターに過ぎないからね……。生活もかかっているんだし。今回は書かないが、ここらへんのつぶやきにおける某選手との絡みも興味深い。ふ〜ん……そんなこと言っちゃうんだ……(笑)。

 ペト欠場に関しては、佐藤選手は何にも悪くないし気の毒なんだが、そんな立場であるにも関わらず、上記のようなつぶやきで、正確な情報を流してくれたことに感謝したい。
 苦渋の判断ではあったろうが、彼に対する「K-1を、格闘技を背負え!」と言うような青筋立てた意見に僕は辟易している。僕は、佐藤選手の「K-1には感謝してるけど、K-1がなくても、オレはキックやって他の仕事やって何かかんかやって生きて行けるよ」という基本スタイルを尊敬しているし、そういう一歩引いた考え方を持っているからこそ、K-1や格闘技ファンのためにできることがあると思っている。

 インサイダーの論理を消費者に押し付け、殉教者をもてはやす……。そんな業界の空気にはうんざりだ。「格闘技が危ない」も聞き飽きた。格闘技のテレビ放送がなくなる、という「ウンコ味のウンコ」を食べずにすますかわりに、亀田とのセット放送や準備期間ゼロカードなどがたっぷりまぶされた「カレー味のウンコ」を絶賛しなければいけないのが、今のメジャー格闘技界だ。そんな二択、まだカレー味の方を選ぶに決まっている。だが、そのうち本当に、「ウンコ味のウンコをもってこい!」と怒鳴らなければならなくなるかもしれない。そんな日が来る前に、なんとかカレーを出して欲しいものである。

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