『最後の晩餐』DVD

最後の晩餐 [DVD]

最後の晩餐 [DVD]

 大石圭『湘南人肉医』の映画化。
 旧サイトより、公開当時の感想を再録。

 低予算映画なので、誰が褒めてもまるで信じていなかったのだが、意外にも(失礼!)面白かった。もちろんセットの使い回しや特撮シーンに予算の少なさは如実に現れているが、それなりに撮影の技巧と演出でごまかしが利いており、違和感なく楽しめた。
 がっつりいただきました、と言える人肉食のオンパレードとボリューム感も良く、主人公の飢餓感と満足感双方が上手く描かれていた。原作に囚われずにやったという後半の展開も、不整合なところもなくスムーズに展開されていた。
 ただ、大石作品ならではのテイストは、映像的にまとまったが故に薄れ、作品自体が一般的水準のサイコ・スリラー映画に収まってしまったようにも思う。
 やはりデブだな。福々しいデブがきびきびと画面を横切り続けたら、もっと異様なムードが出たに違いない。
とは言え、初の映画化としては大いに恵まれたのではないか。今後にも期待したい。
 ちなみにパンフレットは800円もしたが、監督、加藤、大石圭の三者対談も載っていて、ファンは買う価値ありだ。そして聞き捨てならない大石氏のこの発言。



 「僕の作品は、女の子のファンは多いので、上品にしてもらって嬉しかったですよ」


 おおーっとおーっ! 日頃の謙虚なコメントはどこへ!? ビッグストーンがビッグマウスを叩いているぞーっ!? しかしついに映画化、敷石の下の虫の快進撃は留まるところを知らない。今後も続々映画化期待です。

湘南人肉医 (角川ホラー文庫)

湘南人肉医 (角川ホラー文庫)

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