『女帝』DVD

 チャン・ツィイーが最強の女帝を演ずる大ワイヤー巨編! 
 試写で見た当時の感想を、旧サイトから再録するぜ。

 「新世紀の女ドラゴン」チャン・ツイイーが主演! ということで、ついつい壮絶ワイヤーアクションに期待してしまうのだけど、これは『ハムレット』を下敷きにした宮廷内の愛憎劇なのである。さすがにそれは無理だろう……と思っていたら、試写状に書いてあった名前。


 「ユエン・ウーピン


 ……うーむ、なぜこのワイヤー界の第一人者の名前がここに? もしや……。
 まあまあ暗殺者が王子を襲うシーンなどもあるだろうし、多少はワイヤーアクションもあるのかなあ、と思っていたのだが、もう冒頭から大ワイヤー! 空飛びまくり! 血みどろの壮絶な大空中戦の展開! なんじゃあ!? 皇帝に反逆して百叩きの刑に処される老人が出てくるのだが、そのシーンもワイヤー! 殴られた老人が3メートルぐらい空を飛んでいき、待ち構えた処刑人に野球みたいに打ち返される! 飛ぶ必然性が一切ないのだが……。
 思いを寄せる王子が、叔父である皇帝に狙われ、演舞の練習と見せかけ暗殺されそうになるシーン。我等が女帝チャン・ツイイーはハラハラしながら見守るだけかと思いきや、取り囲まれた王子が真剣で止めを刺されそうになったその時……玉座から5メートルぐらい飛んで暗殺者に飛び蹴り! 来たー! ツイイーさんサイコー! というか、王子より強いんじゃ……。
 まあだらだらとテンポは良くないし、アクションシーンもいささかカタルシスには欠ける。テーマ的にはそれなりにまとまっているのだろうが、こういう登場人物がうだうだと悩みまくる話は香港映画には合わないよね(笑)。
 さて師父ユエン・ウーピンの今回の仕事は「エグゼクティブ・プロデューサー」、ウーピン・スタントチームが「武術指導」。師父はなにやら立派な肩書きがついている。出世したものだ。しかし出世した分、「もっと頑張らねば!」と張り切って、ついついいつものワイヤーアクションに凝り過ぎてしまったのではないか、プロデューサーの仕事はちゃんとしたのか、ちょっと心配である。


↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い