『ハムナプトラ』『ハムナプトラ2』『ハムナプトラ3』BD

 ジェット先生登場の『3』が欲しかったのだが、もうついでなのでセットで購入。
 でも、第一作公開当時は衝撃的だったね! ブレンダン・フレイザーとか全然知らなかったし、それなのに原題『THE MUMMY』を完全無視したタイトルの、絶妙な語呂の悪さが耳に残る。問答無用で砂嵐が荒れ狂う予告編も最高だった。なぜか大ヒット! 『2』は言わずと知れたロック様のデビュー作だしね。


 そして満を持してのパート3は、レイチェル・ワイズが裏切って降板したものの、悪役にジェット・リーが登場! 舞台は中国に移り、もうハムナプトラでも何でもない!


 せっかくなので、以前のサイトに書いた『ハムナプトラ3』の感想を再録。

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 いや〜見ましたか、皆さん。ハム3。今年はドラキンに続いて二本目ですよ。え? 悪役がいや? 贅沢いっちゃあいけませんや。これも役者ジェットの表現力の幅を広げるお仕事なんですよ。思えば『リーサル・ウェポン4』の時は、ハリウッドデビューに当たって無名の東洋人は悪役ぐらいしかやらしてもらえない……という切ない現状を確認するだけだったのに対し、今や主役やり放題の彼があえて悪役に挑戦するという意味とは?ということですね。まあでも、このインパクトは絶大ですよ。悪役=ジェット・リー=最強の敵。とりあえず強すぎる、ってことはもう明白なんですよね。
 『ファーストキング』の企画流れの影響か、今回のジェットは始皇帝役。いや〜かつては始皇帝を狙う男だったのに、この逆転現象が面白いですね。『ゴールデンボーイ』において元ナチスの将校を演じながら、『Xメン』においてはアウシュビッツに幽閉されていたユダヤ人を演じた名優イアン・マッケランのようではないですか。ちょっとこじつけが過ぎますか。しかしこういった逆転の裏で、始皇帝の部下でありながら裏切る将軍の役を『ロミオ・マスト・ダイ』で悪役だったラッセル・ウォンが演じているところにも注目ですね。
 幾多の善悪の逆転をはらんで、悪役ジェットの大活躍は始まります。


 ミシェル・ヨーの呪術によって、泥の中に封印されてミイラになってしまったジェット始皇帝。時々泥がはげて爛れたミイラの姿が露になるんですが、もちろんこれはCGとメイクだとしても、その誰なんかようわからん姿でもジェットがちゃんと演技してるという事実を想像すると泣けてきますね。
 始皇帝時代の老けメイク、ミイラメイクを経て、聖なる泉に浸かったジェット始皇帝は、ついに全盛期の肉体を取り戻し、ついでに変身能力まで身に付けます。泉から浮かび上がったジェットの顔が三つに分裂するシーンは爆笑、もとい驚愕! 巨大な獣人やキングギドラに変身する能力を備えたジェットは、まさに無敵です。
 自らの封印されていた遺跡に舞い戻り、眠っていた自らの軍隊を目覚めさせるジェット。俺の言うこと聞け!ってな感じのあっさりした命令がいい感じ。かつては人格の未熟な人を多く演じてきたジェットですが、本質的に暴君というのも我がままで未熟な存在なので、こういう悪役に実ははまるわけですよ。


 ミシェル・ヨーもミイラ軍団を復活させて戦いを挑みますが、不死身のジェット始皇帝を倒すことはできません。唯一彼を倒すことのできる龍剣を奪い返しながら、敗れ倒れるミシェル・ヨー。しかしこの龍剣というのは見た目ただの短剣、実際のところ、五大元素の力を操りドラゴンに変身して空も飛べるジェットには、まったく通用する気がしません。主人公チームが勝つ要素が見えない! さすがジェット、強すぎるぜ!


 しかし、ここで我々は、思いがけない「ジェット・リーの弱点」に気付くわけですよ。フィルモグラフィーをたどればあまりにも明白な、ジェット・リー二つの弱点、それは……!
 ついに万里の長城を超えようとするジェット始皇帝に辛うじて追い付いた、なぜかこのシリーズになると妙にかっこいいブレンダン・フレイザーがたった一人で挑戦し、こう言います。


「おまえ、変身ばっかしてずるいぞ! 男らしく戦え!」


 ここで、そう、さっさと焼き殺せばいいわけですよ。しかしこともあろうに、ジェット始皇帝はこの挑発に乗って変身を解き、素手での勝負に応じてしまうわけです。出来の悪い映画にある、悪役がなぜか手加減してしまうご都合主義? いや、違います。これこそがジェット・リーの弱点その一、「自らの武術へのこだわり」なんですねえ。
 武術を極めし者として、彼はそれに強烈なプライドを持っていて、そこに触れられるとこうせざるをえないのです! 『ドラゴンキングダム』でも、孫悟空ジェットがコリン・チョウの挑発に乗ってつい如意棒を手放してしまうシーンがありましたが、それと同じです。
 本当に卑怯で冷酷なキャラクターならば、こういう挑戦には応じないでしょう。しかし役者ジェット・リーが武術家であるが故に、彼はそういったキャラクターを演じることをよしとしない。たとえ悪役であっても、自らの武術へのこだわりを捨てないのです。


 しかし素手の戦いにおいても、ジェット・リーは無敵! 当たり前ですね、こだわりを持つだけの得意分野なのですから……。が、ここでもう一つの弱点を突かれます。それは「至近距離での頭突きに弱い」、これです。『リーサル・ウエポン4』でもこれにやられましたが、やはり技術を極めているだけに規格外の攻撃への対処が遅れるところと、東洋人の悲しさ、大柄な欧米人に体格を生かして肉弾戦を挑まれると不利になる、という弱点が発生してしまうのです! 無駄にでかいブレンダンの頭突きが炸裂!


 我々はジェット・リーファンであり、ジェット・リーを尊敬する者であるわけです。でも、リスペクトしているからこそ、ただ応援するだけでなく、自ら拳を交えてみたい、という欲求があります。え? ない? まああるとして、棒を持たせたら強すぎるし、剣を持たすと奥義十歩一殺があり、銃を持たすともう論外で……。そんな時に、あえてこちらから素手になって挑戦する。そして、至近距離からヘッドバット連打! これで勝機が生まれるわけですよ。尊敬するジェット先生と、ぜひ一度戦ってみたい! そんな貴方にぜひおすすめしたい作戦ですね。
 
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