『機動戦士ガンダムUC7 黒いユニコーン』福井晴敏

 強化人間として再調整されたマリーダの駆る黒いユニコーンガンダム「バンシィ」に敗れ、捕らえられたバナージ。次なる座標を目指し、宇宙に上げられんとする二体のユニコーン。ジンネマンは、ミネバを切り捨てんとするフル・フロンタルからついに離反し、ユニコーンを奪還せんとラーカイラムに仕掛ける。
 天空を舞うガルダの翼上で、再び白と黒のガンダムが激突する!


 大気圏突入(5)、地上戦(6)、大気圏離脱(7)と、お約束をなぞり続ける福井君の律義さに思わず涙。座標に引っ張られて右往左往するんではなく、自然とこの流れが出来てたらもっと評価するんだがなあ。


 さらにブライト艦長もここで登場。アムロさんも遺影のみでの登場(涙)。連邦上層部に対して腹芸で乗り切り、ジンネマンとバナージらと、ネェル・アーガマの橋渡し的存在になる……というのが今回の役回り。今までの作品では、徹頭徹尾現場の人っていうイメージが強いだけに、こういう一歩引いた立場になると違和感ありだな。解釈としてはそんなに逸脱してないと思うんだが、福井作品に一人はいてくれるタイプに、ブライトさんが当てはめられてしまった感じは否めない。
 で、やっぱりどれだけ人物描写書き込んでも、連邦とジオンという対立構図が骨絡みで染み付いた大人の世代同士が、協力しあってしまう展開にはすっきりしない感じがつきまとう。バナージが双方と心を通わすっていう展開はあり得ても、大人同士が利害を超えてわかり合えてしまうという展開は「人の心の光」を見る事でしかありえなかったのがガンダムなわけで……。そこから先を描きたいのだろうか?


 しかしアニメ映えしそうな大空中戦はやはり最高。マニアックなモビルスーツの登場ぶりも熱いよ。
 いよいよクライマックスが近くなる次に期待!

ROBOT魂[SIDE MS]  ユニコーンガンダム (デストロイモード)

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