『呪怨 白い老女』『呪怨 黒い少女』ノベライズ版

 大石圭の名を売り、生活さえも一変させたありがたいシリーズ『呪怨』。毎回、義理堅くノベライズを手がける大石氏の律儀さに乾杯!


 今回は映画がちょっと低予算でビジュアルもあっさりしている分、このノベライズの細かい情景の書き込みは親切かつおぞましい。すでにぐちゃぐちゃになっている家族の心理の描写なども手慣れたものだ。
 これを読むと、結構設定などを考えて作られたストーリーだったことがわかるんだが、映画のオムニバス形式にするとそれがブツ切りになり、さらに不必要なショックシーンまでがねじ込まれてるのがわかる。『黒い少女』で、映画版にはあった、ミニモニ。の隣の部屋の住人のエピソードが、ノベライズではばっさり切られてるのが象徴的。新シリーズの行く末はいかに……?

呪怨 (角川ホラー文庫)

呪怨 (角川ホラー文庫)