『呪怨 黒い少女』

 時系列的には『白い老女』のさらに数年前。


 何かに取り憑かれたように奇矯な行動を繰り返す娘。入院させた病院で浮かび上がった事実に驚愕した母親は、没交渉だった妹にすべてを託す。妹は、かつて修験者としての修行を積んでいた。だが、娘に関わる人間の行く先々に、「黒い少女」が姿を現す。


 まあ要は『エクソシスト』。しかし『パンデミック』でもイタコのバアさんが出て来たし、呪いが手に負えなくなった登場人物が、クライマックスにおいて非常手段(家を燃やす、伽倻子の親族を探す、プロに頼む)に訴えるのの、言わばバリエーションであって、特に新鮮味はない。が、今回の敵は伽倻子お母さんではなく、新たな呪いの「黒い少女」なので、もしかしたら勝てるんじゃないかと思ったが……ダメですた。


 クライマックスに向けての仕掛けと、エンディングのテーマはちゃんと合致してて、それなりに余韻の残るラストシーンになった。が、まあ『エクソシスト』なんで……。このネタやるなら、もうちょい時間とってオリジナリティ出さないとダメだろ。少々食い足りない。ここらへんは『白い老女』と対照的。どっちが上とも言い難いが……。


 ちなみに主演:加護亜依と謳われているが、ミニモニ。は少女の入院してる病院の看護士……という役で、出番は少ない。これで主演と言うのは無理あるだろ……。