『呪怨 白い老女』


 「呪いつづけて、10周年」という素晴らしいコピーがついて、ついに呪怨シリーズが7、8作目を同時公開!
 しかしながら、監督も変わってハリウッドから日本へ凱旋ということで、スケールは大きくダウン。ビデオカメラも安いやつだな、これは……(笑)。


 舞台は例の「呪われた家」ではなくなり(間取りとか似てて、リフォームしたの?という疑いはあるが)、伽倻子お母さんもハリウッドへ出張中で出番なし! お留守番の俊雄君のみゲスト出演。
 司法試験に失敗し続けている青年が、呆れ返る父、蔑む出戻りの妹、気ばかり使う継母、痴呆症の祖母らへの怒り、そして妹の娘への歪んだ愛情を、爆発させる事件を軸に、そこから派生した怨念が7年の月日を経ても猛威をふるい続けるさまを描く。


 今までは割合あっさりしてた殺人シーンを、「スプラッタ解禁」という勢いで描写したりするが、それよりもやはり伽倻子に変わって暴れ回る「白い老女」の登場シーンの方が、よほどショッキングだ。隣のカップルの女の方が「ひぃっ!」とか言い出して驚いてたら、二度目でもう出て行ってしまった……。でも、そんなに怖かったか? それよりも痴呆お婆さんの行動や、ロリコン男の危険なまなざしの方が恐ろしかったのだが……。
 痴呆症のお婆さん役の人はなかなか熱演で、なぜかバスケのボールを持ってる「白い老女」もカッコいい。また続編があれば出て下さい。
 しかしやっぱり、全体にパターン化してるな……。別の監督が撮っても一緒だろ……。これ一本でわりとお腹いっぱいになった。


 ちなみに、主演:南明奈と謳われているが、アッキーナロリコンに狙われてる姪っ子の友達の7年後の成長した姿……という役で、出番は少ない。これで主演と言うのは無理あるだろ……。