2009/7/13 K-1WORLDMAX2009 FINAL8 試合感想

 いや〜、おひさしぶりです。実に二ヶ月ぶりとなりましたが、皆さんお元気ですか?
 記事にはしませんでしたがいろいろありましたねえ。我龍が逮捕されたり、金田会長が逮捕されたり、三崎が有罪になったり……。逮捕ばっかりですな。三崎さんはノーギャラで試合するそうですが、ここはノーガードで敢えて倒される、というのもいいんじゃないかと思います。しかしながら、制裁してくれるのもマリファナ野郎ということで、もはや逃げ場なし。

 さて、暗いニュースだらけの格闘技界ですが、まあそんなことは関係なく、淡々と楽しんで行きたいですね。

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 今日は放送順で。

▼第2試合 スーパーファイト K-1ルール 62kg契約 3分3R延長1R
HIROYA(フリー)

VS

キコ・ロペス(アメリカ/チームクエスト/ボブ・チャネイ ムエタイ

 相当減量に苦しんだらしいHIROYAだが……うわ、相手小さい! こういうのを見ると一気に冷めるなあ(笑)。あ〜しかし動きは結構いいね。ローも多少はカットしてるか……。
 HIROYAは身体がかなり出来て来た感じで、どの技も自信持って出してるかな。左ミドルと前蹴りのタイミングもなかなか。で、左フック、飛び膝……ってこれ完全に魔裟斗のコピーじゃん(笑)。で、やや顔面のガードが甘いとこも魔裟斗的か……1ラウンド、右もらってスリップ……あ〜いや、これほぼダウンじゃね? ロペスがやや追い打ちっぽく詰めてしまい、角田が割って入った時にはちょっとごまかされてしまったか。
 2ラウンド、そろそろローが効いて来たロペスはやや逃げ腰。挑発で打ち合いを誘うも、ボディで足が止まってしまう。HIROYAはここから膝多用。ダウンも奪う。
 3ラウンドは完全に逃げ腰のロペス。しかし足効いててもフットワークが落ちないんだよな。詰めてラッシュをかけるHIROYAだが仕留め切れず。
 HIROYAは一応、現時点での完成型になりつつあるか? もう60には落とせそうにないし、今後は肉体改造か。まあ前座試合としては面白かった。


▼第7試合 スーパーファイト K-1ルール 62kg契約 3分3R延長1R

山本“KID”徳郁(KRAZY BEE)

VS
チョン・ジェヒ(韓国/Busan Taesan/韓国ムエタイジュニアライト級王者)

 おっ、もうKIDさんか。煽りなが〜い! 相手のジェヒは、なかなかいい面構え。噛ませにしても逃げ腰の奴連れて来たら意味ないからな……。
 開始早々、右フックを合わせるKID。これは得意技だな。ジェヒはミドルを蹴るが、これは距離が遠い。KIDさんは飛び込み狙い……いや、ジェヒが飛び込む。右を合わせるKID。
 飛び込んだところに合わせ、一瞬ジェヒの動きが止まる。左を伸ばして追い打ちのKID。下がって踏みとどまったジェヒが、フックに合わせて応戦。右……左……交錯するパンチ……頭を振って放ったアッパーがKIDの顎を直撃!さらに返しの左フック!
 KIDは顔面からバッタリ! まったく立てず!
 あちゃ……ちょっと綺麗にボクシング勝負になってしまったのが失敗か。ムエタイスタイルがかえって危険と読んだのかもしれないが、まさかパンチでも相手が上とは、まずい奴を連れてきてしまった、ということか。完全にジェヒも狙ったパンチで、まさに完敗。須藤元気がイアン・シャファに無様にのされたが、KIDさんも同じ轍を踏む羽目に。川尻がK-1舐めてるとかなんとか言われてたが、KIDさんも充分なめていたということか……。


▼第8試合 スーパーファイト K-1ルール 60kg契約 3分3R延長1R
渡辺一久(フリー)

VS

山本 篤(KRAZY BEE) 

 で、ボスが目の前でのされて篤もさぞびびったろうな……。前蹴り主体の攻めは当然の戦略で、総合格闘家がボクサーとやるに当たってなかなかいい策だったろうが、渡辺の右が全然見えてなかった……。
 追い打ち野郎にタックルでごまかしと、反則の応酬で全然ダウンが宣告されないので辟易。渡辺に注意してちゃっちゃと進めさせろよ。試合はもう一方的になり、山本はいいようにパンチをもらい続け滅多打ち。
 これで10月は渡辺VSジェヒですか? 結構見たいかも……(笑)。


▼第3試合 世界トーナメントFINAL8 3分3R延長1R

ドラゴ(アルメニア/ショータイム)

VS
山本優弥全日本キックボクシング連盟/青春塾/2009年日本準優勝)

 お、山本かなり大きくなったか? そして相変わらずの接近戦! うわあ、心臓つええ〜、いつものスタイルで勝つ気かよ。日本人ならいざ知らず、相手はドラゴさんだぜ? 吉鷹弘とかステップのすすめを説いてたのに、全然無視! が、距離が近すぎるのか、ドラゴさんのフックもハイキックも、いまいち当たりが浅い。とはいえ山本の左ミドルもそんなに効かないだろうし……。
 2ラウンド、なおも前に出る山本。ちょっとドラゴさんはロー蹴った時のバランスが悪いか……? ガードの上から殴りまくる両者。やや山本の距離か? と思った中盤、ついにドラゴさんが根負け! スウェーでかわし始めた……いやブロック解いたらダメだって! あんなショートパンチ、全部かわせるわけないじゃんよ。果たして終盤に山本が連打でポイントをもぎ取る。軽い当たりでもあんだけ当たったらな……。
 3ラウンド、ドラゴは圧力をかけられない。いや〜、こんだけ詰められるとは想像もしてなかったんじゃないか。山本は手数も止まらず。いや〜タフだ。ドラゴは膝も出すがカットさせたものの時既に遅し。
 まさかまさかの山本勝利。今日は集中力がすごかった。身体も頑丈だし、これで本当に日本トップまで上がって来た感じ。やっぱりとりあえず世界相手をにらんで練習することが重要なのか……。


▼第5試合 世界トーナメントFINAL8 3分3R延長1R

アルトゥール・キシェンコウクライナ/キャプテンオデッサ

VS
アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング オランダ/2005&2007年世界王者)



 延長までもつれこむ大激闘。
 正直盛り上がりには乏しかったが……淡々とペースを変えずに攻め続けるサワーと、崩されるかと思いきや手数をまとめて押し返してしまうキシェンコ。細かいガードの隙間を正確に突くサワーと、頭部とボディに何度も当ててくるキシェンコ。で、お互い小さな当たりはもらいつつも、ほぼ効いた素振りは見せない。乱打戦でもないのに、サワーがあれだけ顔面に攻撃を受けるのにも驚いたし、それにひるまず押し込み続けたのも驚嘆。
 昨年の対決では、本戦ややサワー、延長はキシェンコという感じだったが、今回はそれが入れ替わり、結果も入れ替わったか。3ラウンドに勝負を急いだキシェンコと、あえて延長を選択したサワー……これは「海南VS陵南」「牧VS仙道」そのものじゃないですかっ! 勝ちはしたが、サワーはキシェンコが己の地位まで上がって来たことを確信し……そしてブアカーオはこう思う。「おまえら……オレのいないところでナンバーワン争いをするなよな」。

 う〜ん、魔裟斗VS川尻もいいけど、目に見える舌戦や煽りがないと面白くないと感じるってのは、末期的じゃないですか。オランダと日本でトップに君臨する帝王と、若き天才の凌ぎ合い……熱いじゃないか。こういうところを掘り起こさないでどうするのかね、テレビもプロデューサーも……。

 さて、ペトロシャンはダイジェストでクラウスを完封、ブアカーオはホルツケンをまたも完封。これにて四強出揃う! 佐藤は辛勝、城戸は完勝、日奈太は逆転負けと……。


▼メインイベント(第11試合) スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
魔裟斗(シルバーウルフ/2003・2008世界王者)

VS
川尻達也(T-BLOOD/第8代修斗世界ウェルター級王者)

 まあ正直乗せられて、「魔裟斗大丈夫かな?」と思わないでもなかったんだけど、開始一分はヒヤヒヤしたものの、さらに30秒で、「これは圧勝だな……」とわかってしまった……。
 川尻の左フックは相当タイミングとか練習してきてた感じだし、飛び込み際に右を合わせるのも作戦だろう。が、初弾でヒットした魔裟斗の右ストレートが、たぶん想像を超えた速さと伸びで、あの顔を背けるあぶなっかしい動きだけで回避できる予定が、まともにもらう結果に。魔裟斗もあれが簡単に当たるから、それ主体で攻めたか。その後、ワンツー何発か頭を沈めてかわして見せたのは、川尻もさすがの対応力だったのだが、攻める方はあの避け方してもらえたら実に楽。反撃が何もこないからな。川尻はそこからでも組んでのクリンチアッパー、反則ギリギリの投げなども用意してたのだろうが、あれだけ頭を下げて腰にしがみつくような動きをしてしまうと、もうブレイク待ちしかない。で、一発効いてしまってたから、もう足下が怪しかったか、フィジカルで勝るはずの部分も出せず。
 最初のダウンも右ストレートが痛烈に打ち抜いてて……ブアカーオが避け切れなかった右ですからね……。
 その後のエアタックルはご愛嬌。総合でも決まらないような中途半端なタックルだったが、これは……何だったんだろうね、たぶんダメージあったから時間稼ぎしたかったんだが、何だかんだいって「反則をしたくない」川尻の人柄の良さが出てああいう意味のない動きをしてしまった……というところじゃないですか? ヒール役を自認する選手なら、ためらいなく弾丸タックルしてたかもしれないが、やっぱりDREAMを背負うというカッコいい事を言ったわけだし、せこい事したあげくに負けてもしようがない、でももう殴られたくない、みたいなぎりぎりな葛藤が、あの一瞬に川尻の脳内で起こり、結果タックルのフェイントのようなアクションになってしまった……というところかな。まあどうせ本人も覚えていないだろうし、悪意は感じなかった。

 「顔にパンチを当てる練習しかしてこなかった」というのはたぶん本当で、川尻はブロッキングなんかもまったく出来てなかった。ただ、ブロックしたらカルバンみたいに完封されて終わるわけで、勝つための選択の一つだったのだろう。まあ全く通用しなかったわけだが……。
 2ラウンド、勝負を賭けて詰める川尻だが、魔裟斗も被弾しつつステップでずらし、ワンツー主体に猛反撃。とうとう頭下げたところに膝まで出し始め、連打連打。本来ならば亀ガードしてもおかしくないとこだが、川尻はあくまで練習通りにカウンターを合わせようとする動きで、しかしもうフックとアッパーのバリエーションに対応しきれず被弾しまくる。あとは、いつ倒れるか、というところで山田トレーナーがタオル投入。

 山田トレーナーはアルバレス戦でタオル投入しなかったのを悔やんでいて、今回はその反省を活かしたか。あれ以上続けても勝ち目はなかったろうし、何よりダメージが溜まれば次のDREAMにも影響するだろう。帰る場所がある人間からすれば当然の判断だ。ローリスクハイリターンの試合だったのだから、リターンが望めなくなった時点でリスクを軽減する。実に現実的である。セコンドだけは常にこうやって冷静でなきゃいかんよ。

 川尻は結局、DREAM仕様のスタイルのまま出て来て、肉体も技術もK-1向けスタイルへの変更などは一切なし。それではまって勝てたらラッキーというところだったのだろう。それをK-1舐めてると解釈するも良し、そもそも総合の選手の年間シーズン真っ盛りに立ち技のオファーとかがおかしいと読むも良し、実を捨てずに名を取ろうとする川尻陣営の強かさを実感するも良し。最初から最後まで、なかなかいろいろな思惑の見える試合で、だからこそ面白く、だからこそ下らないんだな。
 魔裟斗にしてみれば、あと2試合、勝つか負けるか、自分のスタイルを貫いて、出て来た相手を迎え撃つだけの話。プレッシャーもそれなりにあったろうが、この後先を考えなくていいシンプルな立ち位置は、やはり有利に作用するだろう。チャレンジャーのはずの川尻の方が、損得を天秤にかけすぎていたのが印象的だった。

 さて、次は10月か……。
 トーナメントはいいとして、リザーブ2はキシェンコVSクラウスでどうでしょうか(単に見たいだけ)。
 で、渡辺VSジェヒ。自演乙も駆り出されそうだな。「KRUSH」が放送打ち切られてこけそうな気配も漂って来ただけに、60キロのカードもちょっと増えるかも……? まあその前に、WGPですね。あ、来週のDREAMも見る予定。DREAM12は一応大阪らしいんで、見に行くかな……。ハルクトーナメントの決勝やるそうですけど(笑)。
 ではでは、またお会いしましょう。


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