『ゾイド』商品展開終了に寄せて
- 出版社/メーカー: タカラトミー
- 発売日: 2008/09/28
- メディア: おもちゃ&ホビー
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86年頃(当時9歳)の頃にファンになった僕は、まあガンダムやトランスフォーマーでも遊んでいたとは言え……その終了にひどく寂しい思いをしたものだった。
資金の問題もあり(当たり前だ)、後期の名機「ギルベイダー」などにも手を出せず、「バトルストーリー」も最終巻だけ買い逃した。
それから10年……1999年、まさかの復活。アニメ化、旧キットの再販、斬新な新商品の発売。夢の時代がやってきた。買い漁りましたよ、僕は。10年間の空白を、乾きを癒す勢いで。
かつて持っていた「ゴジュラス」「アイアンコング」「ウルトラザウルス」「デスザウラー」「マッドサンダー」……大型に予算をつぎ込んだあまりないがしろになっていた小型機「コマンドウルフ」「レドラー」「カノントータス」……。
新コンセプトで生み出された「ブレードライガー」「ジェノザウラー」「ライガーゼロ」「ゴジュラスギガ」……etc。
計4シリーズ作られたアニメを中心としたマルチメディア展開。旧来のバトルストーリーも継承され、復刊なった最終巻も手に入った。
幼い頃の夢は、ことごとく叶ったのだ。
そして、さらに10年。昨年の25周年企画を最後に、どうやらゾイドの商品展開は終了しそうである。ブロックスやバイオゾイドなどの新シリーズも定着せず、不況の影響かキットの価格も高騰。もはや大きなお友達でなければ手が出せないレベル。90年第一次シリーズ末期の商品「キングゴジュラス」「ガルタイガー」などが最近になって再販されたが、再びそれを最後としてブームが終わるのが、何か象徴的だ。
結局、空白の10年の間に蓄積された情念と、この新たな10年に積み重ねられた技術が、ついに全て吐き出されたということなんだろう。旧ファンも新ファンも惹き付けるものを生み出すには、そろそろ限界だったのだ。
向こう数ヶ月、新商品の発売予定はない。これからまた、明日も知れない空白の時が始まるのだ。寂しいなあ。
しかし、ネットを回っていると、古くからのゾイダーがこんな事を言っていた。
「この10年間は夢のような時間だった。だが、我々がそれ以前の空白の10年を戦い抜いたことを忘れてはならない。
そして、この10年は、我々が今後また10年戦い抜くだけの蓄えを残してくれたはずだ」
うーむ、その通りだ! いいこと言う!
写真は未組み立てゾイドの山。まだこれで半分。
確かに、これとネットの世界に積み上げられた資料の山があれば、10年ぐらい余裕で戦えそうだ。とりあえず、「ギルベイダー」と「ギルドラゴン」の二体並べる事を考えただけで、もうお腹いっぱいです。
10年後、この10年でさえも霞むような、素晴らしきゾイドの時代が来る事を祈りつつ、しばしの別れだ。
あ〜、でも最後に「サラマンダーF2」だけは再販してほしかったなあ。黄金色の煌めき……!
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