『三国志』

三国志 [Blu-ray]

　三国志の猛将・趙雲を主人公に、その晩年最後の戦いを描く。

　演義の物語にオリジナルキャラと新解釈を加え、趙雲の半生にスポットを当てた作品。
　長坂橋の戦いなど、若き日は流す程度に止め、五虎将軍となり北伐で迎えた最後の決戦において、老将として戦う部分を中心に、戦う者の願いと、それを叶える事の出来なかった者が人生を受け入れる様。

　主演のアンディ・ラウは老けメイクだがいい感じに枯れて来て、熱演。しかし、せっかくの新解釈であるのに、妙に綺麗な終わり方をしてしまい、いささか物足りなくある。オリジナルキャラクターを出した以上は、せめてそれとの決着は描いて欲しかったのだが……。サモ・ハン・キンポーも出てるが、これもちょっともったいない役。長大な原作を、せっかくタイトな構成にしたのだから、もう少し詰めてほしかった……。
　集団戦の完成度は『レッドクリフ』に遠く及ばないが、一騎打ちのシーンはなかなかいい感じ。